2013年06月24日12:00
不定期映画レビュー第20回。
実は年内100回到達を目指してます。無理かな?
今回はこれ
『グランドマスター』
監督:ウォン・カーウァイ
脚本:ゾウ・ジンジ、シュー・ハオフォン、ウォン・カーウァイ
主演:トニー・レオン、チャン・ツィー、チャン・チェン
2013年5月公開
公式
http://grandmaster.gaga.ne.jp/
PV
評価
★★★★★★☆☆☆☆(6/10)
なんというか、レビューに困るやつが来たと思っている。
本当に、この枕の言葉を書くのにも正直困っている。
色々とまとめて後述するので、導入はもう勘弁して欲しい。
あと公式からあらすじをコピペするのも許して欲しい。
●あらすじ
世界を呑みこむ戦争の足音が、刻一刻と迫る1930年代の中国。北の八卦掌の宗師であるゴン・パオセンは引退を決意し、その地位と生涯をかけた南北統一の使命を譲る後継者を探していた。候補は一番弟子のマーサンと、南の詠春拳の宗師イップ・マン。バオセンの娘で、奥義六十四手をただ一人受け継ぐゴン・ルオメイも、女としての幸せを願う父の反対を押し切り名乗りを上げる。だが、野望に目の眩んだマーサンがパオセンを殺害。ルオメイは葉問への想いも、父の望みも捨て、仇討ちを誓う。後継者争いと復讐劇が絡み合う、壮絶な闘いの幕が切って落とされた。八極拳を極め、カミソリと呼ばれる謎の男も、不穏な動きを見せている。 動乱の時代を生き抜き、次の世代へと技と心を受け継ぐ真のグランド・マスターとなるのは誰なのか─?
●ほぼ予告詐欺
まずは予告映像を観て欲しい。
「時は来た」「最強の流派を決める」「闘え」
明らかに武術の権威と思しき老人がそう言う。
そして、直後に葉問[イップマン]と集団の戦い。
どう考えたって思うだろう。各流派の達人が集まり、頂点を争って闘う映画なのかと。
全く違うのだ。
そもそも、この字幕の台詞自体が劇中に存在しないのだ。
本作では全体の4分の1の尺も経たないうちにイップ・マンが老人パオセンからその座を譲り受ける。
そして、そこでやっと気づくのだ。
「アレ、俺が想像してたやつと違わない?」
はっきり言ってしまうと、本作はカンフーバトルロイヤル映画ではない。
詠春拳の使い手イップ・マン、八卦掌の使い手ルオメイ、八極拳の使い手であるカミソリと呼ばれる男。
激動の時代における、彼ら三人の生き様を描いたドラマなのである。
そのことを知らずに観に行くと、まるで「人類起源の謎が今明かされる‥」という宣伝文句を真に受けて『プロメテウス』を観に行った時のような感覚になってしまう。人によっては最後まで違和感のようなものが拭い切れない可能性すらある。
●アクションは美しいが
ユエン・ウーピン(代表作は『マトリックス』など)という武術指導だけあって、とにかくアクションは美しい。
やまない雨の中、なびく長い裾、弧を描く足、宙を滑る拳。
独特のカスローモーション演出。
監督の過去作と比べればカメラワークにやや難はあるが、十分に素晴らしいと思う。
が、ストーリーテリングがとにかくのんびりとしすぎている。
しかも、ゆっくりしているだけでなく、10年進んだかと思えば10年遡ったりもする。
その上で、複数人の人生を描いたりしているものだから、正直分かりづらいし盛り上がりに欠ける。
また、それぞれの主人公が対峙する展開があまりにも少ないのもその一因だろう。
特に八極拳の使い手であるカミソリという男に関しては、「あれ、こいつ必要だったの?」と思うレベルだ。
調べたところによれば、イップマンとカミソリの闘いについては撮影はしたが結局使われなかったようだが、何故なのだろうか。「実際の人生にはクライマックスなど存在せず、延々と続いていくものだから」って理由でクライマックスのラストバトル削除ってどういうことなのだろうか。ちなみに当該シーンについては下記の動画を参照して欲しい。
なんというかハッキリ言って「カーウァイが撮りたいシーンを撮るだけ撮ったはいいけど編集間違えたんじゃない?」というストーリーだった。
●まとめ
予告映像から内容を予想して観に行くと肩透かしを食らう可能性が高い。また、ジャンル関係なくストーリーラインだけに着目しても消化不良感が残るため、映像だけを堪能するつもりで観に行く方がいいと思われる。ある意味ではウォン・カーウァイらしい映画とも言えるのだが。
正直なところ、イップマンを描いた映画なら『イップ・マン 葉問』の方が出来は良い。
この記事へのコメント
1. Posted by カオスな名無しさん 2013年06月24日 13:02 ID:lSG3UXTF0
予告「うぉおカンフー映画やん!絶対見るわ」
本編「ほげっ・・・」
次時系列が途中でよくわからなくなったので思考放棄してアクションだけ見てました
2. Posted by カオスな名無しさん 2013年06月24日 13:16 ID:ElEGyl7DO
取り敢えず口直しに天地大乱かプロジェクトA見たくなる内容っぽいですね。
3. Posted by カオスな名無しさん 2013年06月24日 13:44 ID:.r52iIbzO
スパン短いよ管理人
4. Posted by カオスな名無しさん 2013年06月24日 20:55 ID:qDIy20T.0
トニー・レオンは後半なにもやりません
「楽園の瑕」が面白かった人は是非!
そんな奴がいるのか
口直しに「捜査官X」を見ました
邦題を考えたひとはジミー・ウォングに謝りにいってください
「楽園の瑕」が面白かった人は是非!
そんな奴がいるのか
口直しに「捜査官X」を見ました
邦題を考えたひとはジミー・ウォングに謝りにいってください
5. Posted by カオスな名無しさん 2013年06月24日 22:24 ID:qQvAB9Zk0
アクションシーンはカミソリのが一番面白いと思ったのだが、その理由がわかった。
カット刻みすぎて技のつながりがよくわからないのだけど、八極拳は一撃必殺だからつなぎを気にしなくていいからだ。
アクションはちゃんと引きで撮ってくれ。
カット刻みすぎて技のつながりがよくわからないのだけど、八極拳は一撃必殺だからつなぎを気にしなくていいからだ。
アクションはちゃんと引きで撮ってくれ。
6. Posted by burberry uk outlet 2014年05月15日 22:29 ID:emxFN.Zk0
カオスな情報置場:【不定期映画レビュー】第20回 ウォン・カーウァイ監督『グランドマスター』
7. Posted by http://www.kuluka.co.uk/ 2014年05月18日 11:13 ID:8BVYpqtk0
カオスな情報置場:【不定期映画レビュー】第20回 ウォン・カーウァイ監督『グランドマスター』
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