ここ数年でアニメの考察サイトは2ちゃんまとめなどに駆逐され、激減したらしい映画『劇場版アイドルマスター』、2014年初春公開予定に

2013年08月05日11:15

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不定期映画レビュー第22回。
同人誌作業のせいで前回から1ヶ月空きましたけども。

今回はこれ

『僕らのミライへ逆回転』

監督:ミシェル・ゴンドリー
脚本:ミシェル・ゴンドリー
主演:ジャック・ブラック、モス・デフ

2008年公開

僕らのミライへ逆回転 プレミアム・エディション [DVD]


PV(終盤の展開まで分かってしまうので観ない方が吉)



評価
★★★★★★★☆☆☆(7/10)



 いつだったか、映画評論家の町山智浩さんがこう言っていたのを覚えている。
「1990年代以降のハリウッドではプロデューサー主導によるビッグバジェットムービー(要するに大作映画)ばかりになり、面白くなくなった」
 と。
 ゲームなどでもそうだが、予算がかかった大作というのは大きな売上げを期待した作品であり、多くの人に売るための作品だ。だからこそ、多くの人に売るために作品は尖ったところを削られて、均一化される。そして、均一化はある種のつまらなさにもつながる。
 だから、大作というのは名作の条件ではない。
 名作を生み出すのは予算ではなく、人だ。
 本作はそんなメッセージが詰まった映画だ。


●あらすじ

 ニュージャージー州パセーイク。未だにVHSのみを取り扱う、古びた建物の一階で営業するレンタルビデオ店 Be Kind Rewind。店主のフレッチャーは老朽化した建物からの立ち退きを要求されていたが、ジャズピアニストのファッツ・ウォーラーの生家でもあるそこを去り、取り壊すことには躊躇をしていた。
 そんなある日、フレッチャーは青年・マイクに店番を任せ旅行に出かける。店を任され、務めを果たそうとするマイクだったが、そこに訪れた友人のジェリーが起こしたとある出来事がきっかけで店中のVHSから映像が消滅してしまう。店に訪れた客に『ゴーストバスターズ』を借りたいと言われ、マイクは思わず明日までに用意すると言うが、当然VHSに映像はない。どこからもVHSが手に入らなかったマイクとジェリーが取った行動は、「自分たちで『ゴーストバスターズ』を撮影する」というものだった。
 しかし、意外なことに二十分しか尺のない超低予算の『ゴーストバスターズ』は街中で話題になり、二人による“リメイク映画”は人々の注目を集め始める……


●発想勝ち

 とにかく発想が面白い。

 舞台劇なんかだとすでにある台本を使って素人が演劇を行うというのはよくあることだが、すでにある映画を素人がリメイクするということはありそうでない。
 が、考えてみれば「カメラと人さえいれば映画は撮れる」。

 そんな発想のもと、映画の中で低予算リメイクされた映画たち(『ゴーストバスターズ』『ラッシュアワー2』『ライオンキング』『メンインブラック』etc)はとにかくシュールだ。『ゴーストバスターズ』の心霊現象で宙を浮く本には針金が繋がっているし、オバケは中から緑のライトで照らしただけのゴミ袋。あげくの果てには写真で代用してしまったりもする。
 ただ、なんというかこれがとにかく微笑ましくもあり、面白くもある。
 彼らの姿は、ごっこ遊びに興じていた頃の僕らと全く同じで本当に「小学生並」だ。

 馬鹿なことだろうがなんだろうが、馬鹿のように真面目にやる。
 考えてみれば面白さとはこういうことで、これこそが多くの映画に欠けていることなのかもしれない。



●映画好きによる映画好きのための映画好きの映画

 レンタルビデオ店の店員が映画をリメイクするという設定上、元ネタの映画を知っていればこの映画は五割増で楽しめる。
 元ネタ映画は以下の通り。


・『ゴーストバスターズ』
・『ラッシュアワー2』
・『ドライビング miss デイジー』
・『モハメド・アリ かけがえのない日々』
・『2001年 宇宙の旅』
・『キングコング』
・『キャリー』
・『メンインブラック』
・『2010年』
・『ラストタンゴ・イン・パリ』
・『シェルブールの雨傘』
・『ボーイズ’ン・ザ・フッド』
・『ドクター・モローの島』
・『ブギー・ナイツ』 

 中でも『ゴーストバスターズ』『ラッシュアワー2』に関してはそれなりに尺が裂かれているので、是非とも観ておいて欲しいところだ。単体でも楽しめるが、元ネタを知っていればより楽しめるという意味では、「うろ覚え」ネタの面白さに近いものがある。
 特に、『ボーイズ’ン・ザ・フッド』の頭を銃で撃ち抜かれるシーンの撮影での、人形の近くで爆竹を炸裂させ、次のコマでは人形の頭の後ろにたっぷりケチャップを塗っただけのピザ(血の海)が置いてあるという演出にはおおいに笑わせてもらった。
 コメディに笑わせて、最後は少しドラマを盛り込んで、笑えて少し泣ける。

 『ニューシネマパラダイス』『ヒューゴの不思議な発明』のような、いい「映画好き映画」だ。


●まとめ

 あまり映画を詳しくない人にも、上で挙げた映画を大体観ているような人でもオススメだ。少しご都合主義なところもあるがきっと楽しめる。僕のような「みんなで何かを作る」ということが反吐が出るほど嫌いな人間でも映画を作る彼らの姿を楽しめるのだから、おそらくあなたも楽しめるはずだ。
 ちなみに、個人的には吹替での鑑賞をおすすめする。決して戸田なんとかのような大チョンボをやらかしているわけではないが、「作り話」だとか「嘘っぱち」と訳すべきところを「伝説」と訳していたり、全体的にやや分かりにくくなっている。高木渉の好演はよく耳に残る。


●おまけ

 映画のように、監督が映画のトレーラーをリメイクしたバージョンが公開されている。
 それにしてもこの男ノリノリである。




「リメイク」版


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この記事へのコメント

1. Posted by カオスな名無しさん   2013年08月05日 11:42 ID:LzkOi4gs0
この作品を取り上げるとはわかってらっしゃる。
こういう良い映画って本当に少なくなったよね。
2. Posted by カオスな名無しさん   2013年08月05日 16:48 ID:Z5jHIdee0
これ邦題のせいで観るのやめたんだよな
原題は「借りたビデオは巻き戻して返しましょう」って意味なんだから
邦題も、もう少し内容を絡めたタイトルにして欲しかった

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